福建省(ふっけんしょう・フーチエンショウ) 中国の南東沿岸、台湾海峡に面する省。省内最大の河川の名にちなみ、別名をミン(閩)という。亜熱帯海洋性モンスーン気候に属し、面積の9割は山地と丘陵に占められ、平地は海岸部と山間部の間の地域だけにすぎない。大陸棚が広く、1400の島が散在する。多くの華僑をおくりだし、コワントン(広東)省につぐ「華僑の故郷」。面積は12万km2。人口は3466万人(2002年)。省都はフーチョウ(福州)。

 

 ■経済

 チュワンチョウ(泉州)など天然の良港にめぐまれた対外貿易の中心地だった福建省は、サトウキビや茶の栽培、生糸、造船、漁業などの伝統産業が発達していた。近年、農業では果物や茶の産地として知られ、チャンチョウ(漳州)のレイシ、フーチョウ(福州)のジャスミン茶、フーアン(福安)の紅茶などはとくに有名。また、軽工業、電子、食品、水産物加工を中心とする沿海工業地域と、紡績、木材加工、化学工業を中心とする内陸の鉄道沿線工業地域が形成された。

 

 ■歴史

 この地はもともと先住民の閩越族の居住地だった。三国時代に北方からの漢民族移住が盛んになった。唐代の733年に軍事長官がおかれ、福州とチエン(建)州にちなんで福建とよばれた。1327~1879年までの約500年間、沖縄との海上交易、相互往来がおこなわれた。

 1979年、政府から対外交流の面で大幅な自主権をあたえられて以来、台湾に近く、華僑とのつながりが強いという特色が生かされ、省の面積の3分の1にあたる地域が対外開放地域に指定された。1万4486社の外資系企業(1994年末)が進出している。福建省は長崎県、オレゴン州(アメリカ合衆国)、タスマニア州(オーストラリア)などと友好関係をむすんでいる。

 

 ■観光と文化
 62の省指定重点文物をもつ福建省には、奇峰、瀑布、渓流などの自然景観を満喫できるウーイー(武夷)山脈や、開元寺などの四大名刹(めいさつ)に代表される仏教寺院など数多くの名勝旧跡がある。温泉が多いことでも知られる。高等教育機関が32ある。方言や福建料理を代表とする独自の文化がある。

(資料出所:マイクロソフトエンカルタ2007)

≫≫≫ ≪≪≪

地域写真募集中
 地域風景での掲載写真はすべて本サイト閲覧の皆様から提供していただいたものでございます。

 お気に入りの地域写真を下記アドレスまで送って頂ければ、選考の上で掲載いたします。

 サイズはなるべく350×200以上、出所と簡単な紹介を付けていただければけっこうです。

工芸三宝
user.gyousan@gmail.com

 

トップに戻る