広西(こうせい・コワンシー)チワン族自治区 中国南部にある省レベルの自治区。東はコワントン省(広東省)、北はフーナン省(湖南省)とコイチョウ省(貴州省)、西はユンナン省(雲南省)、南西はベトナムに接し、南はトンキン湾にのぞむ。面積は22万6600km2。人口は4822万人(2002年)。首府はナンニン(南寧)。

 漢族のほか、チワン(壮)、ヤオ(瑶)、ミャオ(苗)など39の少数民族がすむ。1500万余の人口をもつ中国最大の少数民族チワンの90%以上はここにすみ、自治区の総人口の約3分の1を占める。

 

 ■経済

 農業は、水稲の二期作のほか、サトウキビ、ラッカセイ、ゴマ、茶などの換金作物と、ザボン、レイシなどの亜熱帯・熱帯果物が栽培されている。トンキン湾は重要な漁場で、真珠、カキなどの養殖場がある。鉄鋼、機械、電子、家電、製糖、兵器製造などの工業が発達している。

 北東から南西にのびるホンヤン(衡陽)~ユーイーコワン(友誼関)鉄道をはじめとする5本の鉄道のほか、南寧、コイリン(桂林)など4つの空港がある。道路は南寧などから放射状にのび、南部のペイハイ(北海)などとをむすぶ高速道路が建設されている。シーチアン(西江)水系の内陸水路網はほぼ全域におよび、南部のトンキン湾には多くの1万トン級のバース(船舶用停泊施設)がある。

 

 ■歴史

 春秋戦国時代は百越の地であった。秦代には始皇帝によって征服され、桂林郡がおかれた。唐代には屯田制がしかれ、耕地がひらかれた。明・清代に漢民族の流入が増加した。1850年、洪秀全の指導による太平天国運動が桂平県金田村からはじまった。1958年に民族自治が実施され、広西省が自治区に再編された。ベトナム戦争時の援助ルートであるホー・チ・ミン・ルートの起点といわれている。

 1984年に南部の北海が沿海開放都市に指定され、北海、チンチョウ(欽州)、ファンチョンカン(防城港)3市を中心に大型海港、高速道路、鉄道などの整備と外資導入が急ピッチにすすめられ、1000社をこえる外資系企業が進出した。現在、中国北部のポーハイ(渤海)湾とともにもっともめざましい発展をとげている地域として、国内外に注目されている。熊本県と友好関係をむすんでいる。

 

 ■観光と文化
 カルスト地形が発達しているため、石林などの特異な地形や鍾乳洞が多い。とくに北東部にあるコイチャン(桂江)やリー江(漓江)の両岸には山水画の世界が広がり、多くの観光客を魅了している。27の大学、170の国公立研究機関がある。広西民族研究所などではチワン族の文化に関する研究がおこなわれ、「チワン族百科事典」など数多くの著作が出版されている。

(資料出所:マイクロソフトエンカルタ2007)

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