海南省(かいなんしょう?ハイナンショウ) 中国最南端のハイナン島(海南島)にある。1988年に設置された中国で31番目の省。海南島は台湾につぐ中国第2の島で、幅約20kmのチュンチョウ(瓊州:けいしゅう)海峡をへだてて本土のレイチョウ(雷州)半島と相対する。南シナ海に点在するトンシャー(東沙)、シーシャー(西沙)、チョンシャー(中沙)、ナンシャー(南沙:スプラトリー諸島)の4群島は、いずれも台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイなどと領有権をめぐって係争中であるが、それらもふくめた同省の面積は3万4300km2。人口は803万人(2002年)。省都はハイコウ(海口)。

 島の南寄りの中央部にウーチー(五指)山(1867m)がそびえ、諸河川は五指山を中心に放射状にながれ、沿海部に平野をつくる。中国唯一の熱帯気候に属する。台風の常襲地域としても知られる。漢族のほか、土着のリー(黎)族をはじめ、ミャオ(苗)族などの少数民族も数多くすんでいる。同省から海外に移住した華僑は多く、タイなど50カ国余に広がっている。

 

 ■経済

 高温多雨の気候を利用した熱帯農業がおこなわれている。ゴム、ヤシ、コショウ、コーヒーや、熱帯性果物のパイナップル、マンゴー、バナナなどが栽培されている。沿岸地域では漁業や真珠養殖などがおこなわれている。製糖、製塩、缶詰食品工業が発達し、果物やヤシを原料とする飲料や菓子が輸出されている。近年外国技術の導入で、家電工業や化学繊維工業もおこった。

 海口港を中心に25の港湾、62のバース(船舶用停泊施設)があり、年間の貨物取扱能力は1000万tをこえている。道路を中心とする島内交通網が整備され、総延長は1万3000km。北部の海口と南端のサンヤー(三亜)に空港があり、26本の国内?国際線が運航されている。

 タイ、マレーシア、シンガポールなどから帰国した華僑は100万人をこえ、農場経営や貿易にたずさわり、島の経済?文化に大きな役割をはたしている。近年観光リゾート開発がすすみ、1992年の観光による外貨収入は3億元をこえている。

 

 ■歴史

 古くは珠崖とよばれ、紀元前、漢の武帝のときに、珠崖など2郡がおかれた。唐?宋時代を通じ、海上交通の要衝にあたり、中国やアラビアの貿易船の停泊地として利用された。唐代の僧鑑真らが日本渡航の際、748年にここに漂着した。日中戦争のとき、日本軍の支配下におかれた。1950年に解放され、コワントン(広東)省の出先機関として海南行政区が設置された。

 1988年4月、海南島の開発促進のため海南省が設置されるとともに全島が経済特区に指定された。以来、ホンコン(香港)、台湾をはじめとする海外資本を積極的に導入し、めざましい発展をとげている。92年の外国直接投資契約金額は20億ドルをこえている。兵庫県と友好関係をむすんでいる。

 

 ■観光と文化

 南国の豊かな物産と風光明媚な景勝地にめぐまれた海南島は、「東洋のハワイ」とよばれる。とくに海岸線は巨岩が点在する天涯海角、少数民族の伝説をしるす鹿回頭などの名勝旧跡が数多く、海水浴場や温泉地にもことかかない。史跡としては、唐?宋時代にこの地にながされた官吏をまつる五公祠や宋慶齢の本家が有名である。ロートン(楽東)にある尖峰嶺の熱帯原始林や海岸地帯にひろがるマングローブ林などの自然景観も、内外の観光客をひきつけている。海南大学など7つの大学、47の国公立研究機関、少数民族歌舞団など20をこえる演劇団体がある。南部のトンシー(通什)には、少数民族の歴史がわかる黎族?苗族民族博物館が設置してある。

(資料出所:マイクロソフトエンカルタ2007)

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