江西省(こうせいしょう・チアンシーショウ) 中国華東地区の南西部にある省。長江中下流以南に位置し、北以外の三方を山地にかこまれ、北部には中国最大の淡水湖ポーヤン湖(鄱陽湖)が横たわる。省都はナンチャン(南昌)。面積は16万4800km2。人口は4222万人(2002年)。 |
■経済 |
平野部では稲作がおこなわれ、中国の重要な食糧産地のひとつである。山地や丘陵ではスギなどの林業がみられるほか、茶やミカンが栽培されている。北部は、河川・湖沼が密集するため淡水魚の養殖が盛んである。非鉄金属と陶磁器工業がとくに発達し、タングステン、銅などの埋蔵・生産量は中国随一。チントーチェン(景徳鎮)は国内最大の陶磁器産地として知られる。南昌などの都市には紡績・食品・電子・機械工業がある。 南北方向の水運、東西方向の鉄道を中心とする省内交通網がととのっている。チウチアン(九江)は長江中流の水運の拠点としてさかえている。1995年、省内の主要都市をむすぶペキン(北京)~ホンコン(香港)鉄道が完成し、地元の経済発展の新たな起爆剤として期待されている。南昌など4つの空港がある。 |
■歴史 |
秦の中国統一後、九江郡の一部分とされ、唐代には江南西道に属した。江西の名はここから生まれた。唐・宋代は大量の人口移入があり、経済・文化が大きく繁栄した。1004年に官立の製陶所がもうけられて、本格的な陶磁器生産がはじまった。近代では1922年、安源炭鉱ではじめてのストがおこった。27年に毛沢東は井岡山に革命根拠地をきずき、同年、周恩来・朱徳らが「南昌蜂起」をおこすなど、イエンアン(延安)とともに中国革命の聖地とされる。 1992年に九江が長江沿岸開放都市、南昌が内陸開放都市に指定されてから対外経済交流が加速され、94年末までに省内の外資直接投資額は2億6168万ドル、三資(合弁、合作、全額外資)企業は2847社になった。 |
■観光と文化 |
省内にはルー山(廬山)景勝区、江南三大名楼のひとつ滕王閣、「陶磁器の里」景徳鎮、中国革命揺籃の地、チンカン山(井岡山)などの名勝旧跡がある。31の大学、126の国公立研究機関、100以上の地方劇などの演劇団、映画撮影所などが設置されている。 詩人・文学者陶淵明、政治家王安石、教育家朱熹などの著名人を輩出している。 |
(資料出所:マイクロソフトエンカルタ2007)
≫≫≫ ≪≪≪