雲南省(うんなんしょう・ユンナンショウ) 中国の西南端にある省。南はベトナム、ラオス、西はミャンマーと接する。東にユンコイ高原(雲貴高原)、西にシャン高原があり、メコン川の上流であるランツァン(瀾滄:らんそう)江、長江が省内をながれる。北高南低で、平均標高は約2000m。亜熱帯、熱帯モンスーン気候で、寒暖差が10°Cと小さく、「四季春のごとし」といわれている。中国で少数民族数がもっとも多い省で、イ(彝)、ペー(白)、ハニ(哈尼)族などの少数民族が全省人口の3分の1を占める。面積は39万4000km2。人口は4333万人(2002年)。省都はクンミン(昆明)である。 |
■経済 |
非鉄金属、香料、漢方薬材など産物の種類はきわめて豊富である。山間盆地などでは米、トウモロコシ、小麦が、ラオス・ミャンマーとの国境に近いシーサンパンナではゴム、サトウキビなどの亜熱帯作物が栽培されている。雲南のタバコは「雲煙」とよばれ、とくに有名である。プーアル茶や「雲南白薬」などの漢方薬材は特産品として知られる。昆明の発電、鉄鋼、精密機械、工作機械、化学、巻タバコ、トンチョワン(東川)の銅、コーチウ(箇旧)のスズ、ターリー(大理)の大理石加工などの工業が発達する。 昆明からチョントゥー(成都)、コイヤン(貴陽)、ホーコウ(河口)へのびる3本の鉄道は交通の動脈で、昆明と省内各地をむすぶ道路網も整備されている。地元の雲南航空公司は国内線のほか、ヤンゴン、バンコクへの国際線も運営している。 近年、ベトナム、ラオス、ミャンマーとの国境貿易が活発にすすめられている。1994年末までに省内の外資直接投資額は6500万ドルに達し、三資(合弁、合作、全額外資)企業は1018社にのぼった。 |
■歴史 |
雲南はもともと少数民族の地であり、昆明を中心とする地域には滇(てん)国とよばれる少数民族の王朝があった。前109年漢の武帝は滇国王に「滇王之印」の金印をおくった。三国時代には諸葛孔明が南征し、この地の王孟獲を7度とらえ、7度ゆるしてついに蜀に帰属させたという。1274年元は雲南行中書省をもうけ、役所を昆明においた。ここから雲南が行政区域として使用されるようになった。1942年以降2年余にわたって日本は「ビルマ・ルート」をたつため占領下においた。49年、人民解放軍によって解放された。 |
■観光と文化 |
昆明の西山景勝区、円通寺、「天下第一の奇観」といわれる石林、大理の三塔、シーサンパンナの亜熱帯植物研究所など数多くの名勝史跡や名所がある。旧暦3月の大理のバザールやタイ暦の正月にあたる4月中旬のシーサンパンナの「水かけ祭」など少数民族の伝統的な祭礼には、内外から多くの観光客がおとずれる。
州内には雲南大学など26の大学、166の国公立研究機関、10以上の民族歌舞団、民族映画製作所などがある。航海家の鄭和、中国国歌「義勇軍行進曲」の作曲者で、亡命先の藤沢市鵠沼海岸で謎の水死をとげた聶耳(じょうじ)などの出身地である。 |
(資料出所:マイクロソフトエンカルタ2007)
≫≫≫ ≪≪≪
地域写真募集中 |
地域風景での掲載写真はすべて本サイト閲覧の皆様から提供していただいたものでございます。
お気に入りの地域写真を下記アドレスまで送って頂ければ、選考の上で掲載いたします。 サイズはなるべく350×200以上、出所と簡単な紹介を付けていただければけっこうです。 |